死刑廃止論者である修道女ヘレン・プレジャンのノン・フィクション作品の映画化。1995年のアメリカ映画。死刑囚と修道女の関係性を軸に死刑制度の是非を問いかける。
監督のティムロビンスも死刑廃止論者で映画自体もその立場で描かれているけど、 被害者の家族の心情も描かれているし、安に加害者に感情移入しやすくしているわけでもなく、どこか一歩引いた視点から描かれているため、観ている間、入り込みすぎる事なく頭の中で死刑の是非論が巡り続けながら鑑賞するという事になった。それは、僕にとってはとても有意義な映画鑑賞でした。
暴力は反対ですよ。それが、例え、愛にあふれていたとしても、暴力は反対です。当然、戦争も反対です。人殺しなんて、状況や理由に関わらずに許せるものじゃない。
じゃあ、死刑は?人が人を殺す事ですよ?この疑問は常に頭の中に残り続けている。
真に更正の余地もなく、残虐な加害者がいたとしたら、その被害者が自分の家族、友人だったら、悲しみ憎しみ悔しさでいっぱいになると思う。殺したいと思うかもしれない。かといって、死刑制度があるのは当然、必然であるという考えもしっくりこないというのが正直な気持ちで、人が人を殺していいのか?ということと、人殺しを生かしておいていいのか?という気持ち、自分の中の矛盾が収まらない。
これは感覚だけど、世界から戦争がなくなるのには、死刑制度の廃止も必要な気がしていて、死刑廃止というのは、世界から暴力が減っていく動きの一つだと思うんです。残虐な人殺し、独裁者であっても、それでもこの世から排除するという結果に着地するのは、結果的に人間の暴力性を膨らますような気がする。また、繰り返し続ける。始まった暴力は、誰かが踏ん張って止めなきゃ勝手には止まらない。
暴力の連鎖を止める一つの方法にもなりうると考えると、、、そう思うと、死刑制度は廃止するべきなのかなと思います。
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